挿し木・挿し芽とは?
植物の茎や枝の一部をカットして地面にさし発根させることを挿し木または挿し芽といいます。
挿し木は種まきに比べて成長も早く管理も簡単。種ができにくい・できない植物も簡単に増やせます。
挿し木・挿し芽に必要なもの
挿し木用の土のおすすめは赤玉土小粒
挿し木に使う土は新品の赤玉土や鹿沼土小粒の単用土、または挿し木・種まき用土を使いましょう。挿し木は清潔な無菌状態で水はけがよい土が必須です。
普通の草花用培養土には堆肥などの有機物が含まれており菌が繁殖しやすいので挿し木には向いていません。
赤玉土小粒をふるってから作るなんちゃって赤玉土細粒も意外とおすすめです。
鉢のおすすめはスリット鉢
挿し木を植える鉢は水はけのよいスリット鉢がおすすめです。根が回りにくくまんべんなく根を成長させられるため発根が重要な挿し木にはぴったり。
プラスチックでできているため洗えば再利用もできます。挿し木を複数本差すときのおすすめサイズは10.5cm(3.5号)ポットです。
発根促進剤で成功率UP!
発根促進剤ルートンは挿し木の発根率を上げてくれる植物成長調整剤です。ルートン1個で挿し木であれば200本近く使用できるそうです。
植物の種類によっては発根しにくいものもあるためルートンを1つ持っておくと安心でしょう。
挿し木・挿し芽のやり方
- Step.1草花の茎を2,3節以上カットする
よく切れるハサミを使うと断面がつぶれないため成功率UP!
- Step.2カットした挿し穂の下葉を取り除く
茎の断面を斜めにカットしましょう
- Step.3挿し穂を15分~30分程度水につけておく
メネデールやリキダスを使うとGOOD
- Step.4ルートンを茎の断面につける
- Step.5ポットに土を入れ挿し穂を植える
割りばしや竹串で穴をあけて植えましょう
今回はサントリーフラワーズのロベリア、アズーロコンパクトの挿し木をしていきます。
1.挿し穂づくり
まずは挿し穂を作りましょう。大体10㎝前後ほど、節目が2,3節ついている枝を選びます。摘芯や剪定をしたときの枝を挿し穂にしても問題ありません。
カットする場所は節のすぐ上の部分です。
2.余計な葉を取り除き茎を斜めにカット
挿し穂についている下葉や脇芽を取り除きます。このとき茎の断面を斜めにカットしましょう。
茎の断面は発根しやすいです。斜めにカットすると断面積が増えるため発根する面積も増えます。また、水の吸い上げられる面積も増えるため挿し木の成功率もUPします。
アジサイなどの葉の面積が広い植物は葉を半分ほどにカットしましょう。葉からの蒸散する水分が少なくなるため水切れのリスクが少なくなります。
3.15分~30分ほど水につけておく
挿し穂を15~30分程度水に差しておきます。このときにメネデールや活力剤リキダスを薄めた水に入れると挿し木の発根率が上がります。
4.発根促進剤をつける
先ほど斜めにカットした茎の断面部分にルートンをまぶします。
5.清潔な挿し木用の土に植え付け
鉢に土を入れ、割りばしや竹串を使って穴をあけてから挿し木を植えます。挿し木でぐりぐりと直接穴をあけて植えると茎の断面部分が傷むためおすすめしません。
挿し木を植え終わったら、たっぷりと水をあげて土と植物をなじませます。最初の数日は底面給水で管理すると水切れの心配がなく管理もらくちんです。
最初の数日は日陰で管理し水切れには特に注意しましょう。段々と水やりの頻度を減らし乾燥気味に育て、日当たりの良い場所に置くと丈夫な苗に成長してくれます。
いつ挿し木をしたか・何の品種を挿し木にしたかは意外に忘れがちなのでラベルを書いておきましょう。
挿し木・挿し芽が発根までの日数は?
挿し木が発根するまでの日数はおおよそ2~6週間ほどです。気温によって大きく左右されるため、夏であれば3,4週間ほどでポット上げ、冬であれば5,6週間ほどでポット上げできます。
挿し木が成功したか、発根したかの確認方法はポットの底穴から根が見えるかどうかで判断します。挿し木が成功したかを確認するために挿し穂を抜いてみたくなりますが、発根したばかりの根が傷むとそのまま枯れてしまう可能性があるためやめておきましょう。
挿し木・挿し芽が発根したらポットに植え替えよう
挿し木の発根が確認出来たらポットに植え替えましょう。基本的には1ポットに1株植えがおすすめですが、ビオラなどの冬の花は成長が遅いためまとめて植えても問題ありません。
ポット上げしてから数日は半日陰で管理するのがおすすめです。
挿し木・挿し芽の注意点
挿し木・挿し芽で増やした草花は個人で楽しみましょう。品種登録された植物の挿し木を他の人に譲渡・販売する行為は犯罪です。メルカリなどで有名な品種のバラやアジサイなどの挿し木が販売されていることもありますが、れっきとした種苗法違反です。
これに違反すると1000万円以下の罰金または10年以下の懲役と非常に重い罰則があるため絶対に行わないでください。
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