グリーンと花を両方楽しめ、雑草対策になるグランドカバーにはタピアンがおすすめです。
緑のカーペットのように庭を覆ってくれ、白色や紫色といった丸いボンボンのような花が次々と咲いてくれる宿根バーベナの一種であるタピアン。サントリーフラワーズさんによって病気に強く丈夫に育つように品種改良されているため初心者でも育てやすいのは嬉しいポイント。
この記事ではタピアンの育て方のポイントや増やし方、冬越しなどについて紹介します。
タピアンの基本データ
開花期 | 4月~11月 |
属種 | クマツヅラ科 クマツヅラ属(バーベナ属) |
分類 | 多年草 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
販売時期 | 3月上旬~5月下旬 9月上旬~9月下旬 |
花言葉 | 「魅惑」「魔力」「魅了する」 |
タピアンの種類は4種類
タピアンは4つの種類があります。
僕のおすすめは、グランドカバーならパープリッシュホワイト、鉢植えならローズとラベンダーです。
地植えでも鉢植えでもタピアンを数種類の混色植えにすると、お庭や玄関先をカラフルに彩ることができます。複数株を鉢植えするときは蒸れに注意し水はけのよい培養土に植え付けましょう。
タピアン パープリッシュホワイト
優しい桜色の色合い。枝が良く伸びるためグランドカバーに最適。
タピアン バイオレット
濃い紫色の花が咲く。
タピアン ローズ
鮮やかな赤紅色。開花が早くコンパクトな花形。
タピアン ラベンダー
優しい赤紫色。コンパクトで開花が早いのが特徴。
タピアンの育て方
日当たり | 日向 |
置き場所 | 半日以上直射日光が当たる屋外 |
土 | 市販の培養土10 または 市販の培養土:7 赤玉土 小粒:3 |
肥料 | 置肥、液肥を適時 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷりと |
摘芯 | 必要 |
切り戻し | 必要 |
花がら摘み | 必要 |
タピアンは日当たりがよい日向がベスト
タピアンは日向で育てます。日当たりが良くない場所で育てると花つきが悪くなり、徒長しやすくなってしまいます。
終日直射日光が当たる場所、特に西日がきつく当たる場所は避けましょう。花色が薄くなったり葉焼けしてしまう可能性があります。
タピアンの置き場所は半日以上直射日光が当たる場所
タピアンを鉢植えで育てるときは半日以上直射日光が当たる場所に置きます。花つきが少し悪くなってしまいますが、直射日光が3~5時間あたる半日陰でも育てることができます。
鉢植えの場合、冬場は霜よけのために軒下で管理しましょう。
タピアンの地植え
日陰~半日陰で育てることができます。植え付ける前にバーク堆肥やパーライトなどの土壌改良資材で土壌を改善してから植え付けましょう。
暖地であれば地植えでも冬越し可能です。冬場は藁やバーク堆肥などのマルチング材を利用し、霜よけを行いましょう。
タピアンの用土は市販の培養土に3割ほど赤玉土を混ぜよう
タピアンを植える用土は、市販の培養土をそのまま使う、または市販の培養土に赤玉土 小粒を3割ほど混ぜてあげましょう。市販の培養土の水はけ・保水性がさらに良くなるため成長スピードが速くなります。
2種類以上の土を混ぜるときはムラにならないようにきっちりと混ぜてください。
タピアンの肥料。花期は多めに上げると花つきが良くなる
植え付けの1ヶ月後から固形肥料を規定量与えていきます。地植えの場合は追肥は少なめでも大丈夫ですが、鉢植えの場合は欠かさずに追肥を行いましょう。
特に花が多く咲いている時期は肥料をたくさんあげましょう。しかし、鉢植え地植えともに夏場と冬場は肥料を与えないようにします。
液体肥料を併用すると開花のパフォーマンスが高まります。液体肥料は植え付けの2~3週間後から週に1回程度与えていきます。
タピアンの水やりは表面の土が乾き始めたら株元にたっぷりと
水やりの際に花に水がかかると灰色カビ病などの病気の原因になることがあります。お花の水やりの基本は株元にたっぷりとあげることです。
土の表面が乾いたら株元に鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。土の表面が乾く前に水をあげると根腐れを起こしてしまうので注意が必要です。
なかなか水やりができない人は、土が乾きにくいようにヤシの木チップや腐葉土などでマルチングをしてあげると良いでしょう。
2,3回摘芯をするとボリュームのある株に
タピアンを植え付けてから2~3週間後に摘芯を2,3回すると脇芽の数が増え、ボリュームのある株に成長します。
花がら摘みは必要。根元からカット
タピアンの花茎全体の花が終わってきたら花茎を根元からカットしてください。花がらを定期的に摘むことで次のつぼみの成長を促進することができます。
花がらを放置すると溶けてしまいカビや病害虫発生の原因になります。
タピアンの切り戻しは夏の終わりに
タピアンは夏の終わりに草丈の3分の1ほどのところで切り戻しをします。枝の先にしか花が咲かない、花の数が全体的に減ってきたら切り戻しのサインです。
切り戻しをすると、秋に株全体にバランスよく花を咲かせてくれます。
タピアンの植え付け・植え替え
丸鉢プランター | 1~3株/30cm |
横長プランター | 2~3株 / 65cm |
花壇 | 9~10株 / 1㎡ |
植え付けの際はウォータースペースを忘れずに
丸鉢プランターの場合は10号鉢に1~3株。横長65cmプランターであれば2~3株。花壇に植える場合は1㎡あたり9~10株が植え付け株数の目安となります。
タピアンはほふく性で生育旺盛なため少し小さめの鉢で、鉢から花をこぼれるように咲かせるハンギングもおすすめです。
鉢に植物を植えるときは必ずウォータースペースを確保しましょう。ウォータースペースがないとたっぷりと水をあげることでできません。
植え付け時に、病害虫対策として「オルトランDX粒剤」や「ベニカXガード粒剤」を土に混ぜ込んであげると害虫の被害から植物を守ることができます。特に「ベニカXガード粒剤」は病気の予防にも効果があるため非常におすすめです。
植え付けの後には水やりを必ず行います。タピアンの株元に鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水をあげてください。
このとき活力剤の「リキダス」を一緒に与えることで根の活力アップに、また夏の暑さに抵抗力をつけることができます。
植え替えは一回り大きな鉢に
水切れが多くなってきたときや、鉢底で根が巻き始めたら一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。できるだけ真夏の植え替えは避けるとタピアンに優しいです。
タピアンがかかりやすい病害虫はうどん粉病とアブラムシ
うどん粉病 | 5~6月、9~11月 | |
アブラムシ | 5~9月 |
病気にかかってしまった葉や茎などは取り除きましょう。このときハサミなどを使ったときはハサミの消毒もお忘れなく。
うどん粉病は風通しが悪いと発生しやすくなります。切り戻しをして株元の風通しを良くする、風通しの良い場所に鉢を置くと発生しづらくなります。
アブラムシが発生したら、「ベニカXファインスプレー」などの市販の殺虫殺菌剤または「ロハピ」などを散布しましょう。
植物は風通しが悪い場所で栽培すると病害虫の被害にあいやすくなるので注意が必要です。
タピアンの寄せ植え。混色植えがおすすめ
- サフィニア、マーガレット、ネメシアなどの季節の草花
- 色違いのタピアンの複数株植え
- カラーリーフ類
タピアンはカラーバリエーション豊富で鮮やかな色合いなため、混色植えや季節の草花やカラーリーフ類との相性が抜群です。
寄せ植えは風通しが悪くなりがちなので株元の傷んだ葉の除去と花がら摘みをこまめに行います。
タピアンの増やし方は挿し芽・株分けで行う
タピアンの挿し芽は春または秋が適期
タピアンは挿し芽で増やすことができます。挿し芽の適した時期は春と秋で、できるだけ若い枝を挿し芽に使うと発根してくれる可能性が高くなります。
夏を越し大きく育ったら株分けを
タピアンは夏を越し、大きく育ったら株分けを行うことで数を増やすことができます。
株分けとは大きく成長した株を根っこごと切り分けることです。株分けを行ったタピアンは最初はあまり日が当たらないところで管理しましょう。
タピアンの冬越しは簡単
タピアンは暖地であれば簡単に冬を越すことができます。寒冷地であれば鉢植えで育て、冬は室内に取り込むか、冬の寒い風が当たらない軒下で管理しましょう。
地植えの場合はできるだけ霜に当たらないように腐葉土やバーク堆肥、ヤシの木チップなどでマルチングをしてあげると安心です。最低気温が氷点下になると地上部の葉が枯れますが、春になると新芽が出てくるため問題ありません。
地植えの場合は冬は肥料・水は与えなくても大丈夫です。新芽が出てきたら少しずつ水やり・施肥を再開してください。
タピアンの花言葉は「魅惑」「魔力」「魅了する」
タピアン(バーベナ)の花言葉は「魅惑」、「魔力」、「魅了する」です。
タピアン(バーベナ)は宗教や魔法に関する花といわれており、予言や魔力を強くすると信じられてたことがこの花言葉の由来です。
白色のタピアンの花言葉
白色のタピアン(バーベナ)の花言葉は「私のために祈ってください」です。白色は神聖なイメージがあり、かつ宗教に関する花といわれるタピアン(バーベナ)なためこの花言葉になったと言われています。
紫色のタピアンの花言葉
紫色のタピアン(バーベナ)の花言葉は「後悔」です。ネガティブな意味合いを持っているため、人に贈るときは紫色のタピアン(バーベナ)は避けるようにしましょう。
ピンク色のタピアンの花言葉
ピンク色のタピアン(バーベナ)の花言葉は「家族愛」です。タピアン(バーベナ)は花が輪になって咲くことから結びつきを表すと言われており、これが由来となっています。
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