真冬や春先の玄関先でふんわりと咲いているプリムラ・マラコイデス(サクラソウ)。そんなプリムラ・マラコイデスにとてもやさしい色合いをした珍しいライムグリーン色の品種があります。
ウインティーはサントリーフラワーズさんから出ているプリムラ・マラコイデスのオリジナル品種です。
半日陰でも楽しむことができ寒さにも強いため、冬のお花が少ない時期でも玄関先やベランダなどを彩ってくれます。
この記事ではウインティーの育て方のポイントや増やし方、夏越しなどについて紹介します。
ウインティーの基本データ
開花期 | 1月~4月 |
属種 | サクラソウ科 サクラソウ属 |
分類 | 一年草 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
販売時期 | 11月中旬~12月中旬 1月中旬~2月下旬 |
花言葉 | 「運命を開く」、「素朴」、「気取らない愛」 |
ウインティーの種類は4種類
ウインティーは4つの種類があります。
僕の個人的なおすすめは、他のサクラソウにはない独特で柔らかな色合いとしたライムグリーン。初心者でも育てやすい、お庭のアクセントになるとても色鮮やかなピーチです。
ウインティー ローズ
とても鮮やかな赤紫色の花。淡いピンクから鮮烈なピンクへと移り変わる。とても育てやすい。
ウインティー ピーチ
アンティークな色調。ピンクからイエローグリーンへと移り変わる。花持ちがいい。
ウインティー ライムグリーン
世界初の淡いライムグリーン色。コンパクトな草姿。花持ちが非常にいい。
ジャパンフラワーセレクション2010-2011 モーストジョイ特別賞、モニター特別賞 受賞
ウインティー サクラ
白からほんのりと優しいピンク色に移り変わる。ふんわりとした草姿。
ウインティーの育て方
日当たり | 日向~半日陰 |
置き場所 | 霜が当たらない場所 |
土 | 市販の培養土:8 腐葉土:2 |
肥料 | 置肥、液肥を適時 |
水やり | 土の表面が乾き始めたらたっぷりと 水切れに注意、加湿気味OK |
摘芯 | 不要 |
切り戻し | 不要 |
花がら摘み | 必要(花茎根元から) |
ウインティーの日当たりは日向~半日陰OK、おすすめは半日陰
日向でも明るめの半日陰でも育てることができます。
花色が鮮やかできれいになるため半日陰程度がちょうどいいです。
終日直射日光が当たる場所は避けましょう。
花色が薄くなったり葉焼けしてしまう可能性があります。
ウインティーの置き場所 寒いときは軒下で
多少の雪や霜に耐えますが、プリムラ・マラコイデスの耐寒温度は5℃といわれています。鉢植えの場合、冬場は霜よけのために軒下で管理しましょう。
室内に取り込む場合は、暖かい場所では花が傷みやすいため暖房の効いていない場所で管理します。
ウインティーの地植えは乾燥に注意
乾燥に弱いため乾燥しにくい場所に植えましょう。
冬場は藁などのマルチング材を利用し、霜よけを行います。
ウインティーの用土は市販の培養土に2割ほど腐葉土を混ぜよう
ウインティーを植える用土は、市販の培養土に腐葉土やバーク堆肥などを追加で2割ほど混ぜてあげましょう。
プリムラ・マラコイデスの原産地は森林の落ち葉が多いところだそうです。
有機質(ピートモスや腐葉土)が多い培養土がおすすめです。袋を持った時に軽めの培養土が有機質の多い培養土です。
2種類以上の土を混ぜるときは、ムラにならないようにきっちりと混ぜてください。
ウインティーの肥料は規定量を忘れずに。花期は液体肥料も併用しよう
植え付けの1ヶ月後から固形肥料を規定量与えていきます。
液体肥料を併用すると開花のパフォーマンスが高まります。
液体肥料は植え付けの2~3週間後から週に1回程度与えていきます。
ウインティーの水やりは表面の土が乾き始めたら株元にたっぷりと
水やりの際に花に水がかかると灰色カビ病などの病気の原因になることがあります。お花の水やりの基本は株元にたっぷりとあげることです。
土の表面が乾き始めたら、株元に鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。他の植物と異なり、土の表面が乾いてからあげるわけでない点は注意が必要です。
ウインティーは乾燥に弱いため水切れには特に注意します。加湿気味で大丈夫です。
なかなか、水やりができない人は、土が乾きにくいようにヤシの木チップや腐葉土などでマルチングをしてあげると良いでしょう。
花がら摘みは必要。根元からカット
ウインティーの花茎全体の花が終わってきたら花茎を根元からカットしてください。
花がらを定期的に摘むことで次のつぼみの成長を促進することができます。
花がらを放置すると溶けてしまいカビや病害虫発生の原因になります。
ウインティーの植え付け・植え替え
丸鉢プランター | 1~3株/30cm |
横長プランター | 2~3株 / 65cm |
花壇 | 10~15株 / 1㎡ |
植え付けの際は土は押し固めずに。少し深植えがポイント
丸鉢プランターの場合は10号鉢に1~3株。横長65cmプランターであれば2~3株。花壇に植える場合は1㎡あたり10~15株が植え付け株数の目安となります。
ウインティーは生育旺盛なため10号鉢に1株でも鉢いっぱいに育ってくれます。
ウインティーは加湿には強いですが、根腐れが不安な方はまずは8号鉢に植え付け、成長に従って10号鉢への植え替えがおすすめです。
ウインティーはふかふかの土を好むため土は押し固めずに植え付けます。このとき少し深植えにしてあげるのがポイントです。
鉢に植物を植えるときは必ずウォータースペースを確保しましょう。ウォータースペースがないとたっぷりと水をあげることでできません。
植え付け時に、病害虫対策として「オルトランDX粒剤」や「ベニカXガード粒剤」を土に混ぜ込んであげると害虫の被害から植物を守ることができます。
特に「ベニカXガード粒剤」は病気の予防にも効果があるため非常におすすめです。
植え付けの後には水やりを必ず行います。
ウインティーの株元に鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水をあげてください。
このとき活力剤の「リキダス」を一緒に与えることで根の活力アップに、また冬の寒さに抵抗力をつけることができます。
植え替えは夏越しできたときに
ウインティーは夏越しが難しいため、基本的には必要ありません。
夏越しが成功したときは株の大きさに合わせて一回り大きな鉢などに植え替えましょう。
ウインティーがかかりやすい病害虫は灰色カビ病とアブラムシ
灰色カビ病 | 3~12月(特に4~7月) | |
アブラムシ | 3~10月 (特に4~6月) |
害虫は発見次第捕殺し、病気にかかってしまった葉や茎などは取り除きましょう。
このときハサミなどを使ったときはハサミを消毒しておきましょう。
または「ベニカXファインスプレー」などの市販の殺虫殺菌剤または「ロハピ」などを散布しましょう。
植物は風通しが悪い場所で栽培すると病害虫の被害にあいやすくなるので注意が必要です。
ウインティーの寄せ植え。パンジー・ビオラやチューリップとの相性が抜群
ウインティーはナチュラルな色合いのため、季節の草花や球根類との相性が抜群です。
- パンジー、ビオラ、アリッサムなどの季節の草花
- 色違いのウインティーの複数株植え
- チューリップやアネモネなどの球根類
寄せ植えは風通しが悪くなりがちなので株元の傷んだ葉の除去と花がら摘みをこまめに行います。
ウインティーの増やし方は種で行おう
種まきは9月頃から準備しよう
ウインティーは種まきで増やすことができます。
種をまく時期は9月中旬から10月上旬が適しています。
種まきに使う用土は普通の培養土ではなく、種まき用の培養土や肥料の入っていない清潔な単用土(赤玉土 小粒など)を使用しましょう。
種をまいて1か月ほどしたらポットに培養土を入れ植え替えてあげます。
種は5月上旬から取り始める
ウインティーの種の採取は花が終わりだす5月上旬から行います。
咲き終わった花がらを摘まずにそのままにしておきましょう。
花がらの奥の方に黒い種が見えたら種のみを採取します。
種はクラフト封筒などに入れ密閉できる容器にいれて涼しい場所で管理しましょう。
こぼれ種は育てるのが難しい
ウインティーは暑さに弱いためこぼれ種で増やすことは難しいです。
もし発芽しているこぼれ種のウインティーを見つけたらすぐにポットなどに植え替えて風通しのいい涼しい場所で管理すれば夏を越せる可能性があります。
夏越しに成功したら株分けを
ウインティーは夏を越すことができれば、株分けを行うことで株を増やすことができます。
株分けとは大きく成長した株を根っこごと切り分けることです。
株分けを行ったウインティーは最初はあまり日が当たらないところで管理しましょう。
ウインティーの夏越しはとっても難しい
ウインティーは暑さに非常に弱いため夏越しはかなり難しいです。
そのため翌年も楽しみたいときは春に種を採取する、または冬に新たな苗を買いましょう。
25℃以下をキープできる日当たりがよく風通しの良い場所に置けばなんとか夏を越してくれる可能性があります。
ウインティーの花言葉は「運命を開く」「素朴」「気取らない愛」
ウインティー(プリムラ・マラコイデス)の花言葉は「運命を開く」、「素朴」、「気取らない愛」です。
花の外観はシンプルで優しい色合いをしていることからこれらの花言葉がつけられたと考えられています。
コメント